「Premiere Proは重いし難しい。でも、ちゃんとした動画は作りたい。」 そんなときに選択肢になるのが、ブラウザで動くCanvaの動画エディタです。
2025年現在、Canvaの動画機能は
- タイムライン編集(Video Editor 2.0)
- BGMや効果音の追加
- 自動字幕(Captions)
- テキストからのAI動画生成(Magic Media)
まで進化していて、「YouTube用動画」「ショート動画」「講座動画」なら、かなりの部分をCanvaだけで完結できます。
Canva Video Editor 2.0でできること
ブラウザなのに“ちゃんとタイムライン編集”ができる
Canvaの動画エディタは、複数トラックを重ねられるタイムライン形式が基本になっています。
- メインの映像トラック
- テロップ用のテキストトラック
- BGMや効果音のオーディオトラック
これらを下に伸びたタイムラインで管理できるので、「どのタイミングで何が表示されるか」が視覚的に分かりやすくなっています。
ショート動画〜5〜10分の解説動画までが得意レンジ
Canvaで特に扱いやすいのは、15〜60秒のショート動画や、数分〜10分程度の解説動画・スライド動画です。 細かいエフェクトや複雑な合成が必要なMVや映画には向きませんが、YouTube・TikTok・LP用の埋め込み動画なら十分対応できます。
Canvaで動画を作る基本ステップ
ステップ1:フォーマットを選ぶ(横・縦・正方形)
まずはホーム画面から「YouTube動画」「Instagramリール(縦)」など、目的に合ったフォーマットを選びます。 あとからサイズ変更も可能ですが、縦横比を最初に決めておいた方が、画面構成に迷いが出ません。
ステップ2:動画・画像・素材をタイムラインに並べる
メインの動画クリップや画像素材を、下部のタイムラインにドラッグ&ドロップして並べていきます。 不要な部分は、クリップの端をつまんで短くするか、「分割」機能でカットして削除します。
ステップ3:テロップ・タイトル・図解を重ねる
次に、テキストツールでテロップや見出しを重ねていきます。 Canvaはもともと「スライド作成が得意」なので、図形やアイコン、写真を重ねた図解スライド風のカットを挟むのも簡単です。
自動字幕(Captions)で“見られる動画”にする
字幕を自動生成して、フォントや色もブランドに合わせる
Canvaの「Captions」ツールを使えば、動画の音声から自動で字幕を作成できます。
音声認識でテキストを出したあと、誤字修正、行の区切り調整、デザイン変更(フォント・色)をまとめて編集できます。 スマホ視聴では音を出さずに見る人も多いため、字幕があるだけで視聴維持率がかなり変わります。
自動字幕に「人の感覚」を足していく
AI字幕は便利ですが、句読点の位置や固有名詞の誤認識など、“AIらしい違和感”が出ることがあります。 公開前に一度通して見ながら、「自分が声に出して読むとしたら、どこで区切るか」を基準に整えていくと、自然な字幕になります。
音楽・効果音・ナレーションを重ねて仕上げる
BGM・SE・ボイスをタイムライン上で組み立てる
Canvaでは、動画のタイムラインに直接BGM、効果音、ナレーション音声を並べていけます。
- 声が主役の動画 → BGMは小さめに、SEはポイントだけ
- BGMメインのショート動画 → 曲の展開に合わせてカットを切る
といった感じで、企画のタイプに合わせて調整しましょう。
CanvaのAI動画生成:Magic MediaとCreate a Video Clip
Magic MediaのText to Video:短いイメージ動画を量産する
Magic Mediaには「Text to Video」機能があり、テキストで指示した内容を4秒程度の短い動画クリップとして生成してくれます。
プロンプト例:
落ち着いたオフィスで、夜遅くまでパソコン作業をしている人のシーン。少し暗めで、真剣な雰囲気。
この短いクリップを、動画の冒頭の“つかみ”や、シーンのつなぎ(トランジション)として使うと、「撮れなかった素材」を補うことができます。
Create a Video Clip:音付きのAI動画を作る
さらに、「Create a Video Clip」というツール(Googleの動画生成モデル「Veo」などと連携)では、音付きの動画を生成できる場合もあります。 ショート動画のオープニングや、会社紹介動画の「印象的な1カット」として差し込むと、シネマティックな質感を簡単に手に入れられます。
AI動画は“メイン素材”ではなく“スパイス”として使う
AI動画は派手で目を引きますが、全編AI動画で埋め尽くすと「結局何が言いたい動画なのか」がぼやけがちです。
- 冒頭数秒だけAI動画で引きつける
- あとは自分の映像・スライド・図解できちんと説明する
AIはあくまでスパイスで、「伝えたい中身」は自分でしっかり用意する。この役割分担を決めておくと、動画の質が安定します。
Canva動画をYouTube・SNSで使うときの注意点
画質・アスペクト比とテキストサイズ
書き出し時には、解像度(1080pが基本)とアスペクト比を目的のプラットフォームに合わせて選びます。 スマホ視聴が多い場合、テロップは自分が思っているより大きくしておくと読みやすくなります。
BGMやAI動画のライセンスも忘れずに
動画自体はCanvaで完結しますが、BGMやAI素材にはCanva側の利用条件があります。 特に、広告出稿をする動画やクライアント案件では、Canva公式のライセンス説明・利用規約・AIポリシーを一度チェックしておくと、後からのトラブルを避けやすくなります。 (詳細は[記事3]をご確認ください)
Canva動画編集の“現実的な使いどころ”
Canvaの動画機能は、「超高度なVFX」や「長編映画」には向きませんが、
- YouTubeの解説動画
- ショート動画・リール
- LPに埋め込む紹介動画
- オンライン講座のスライド動画
といった、ビジネスや情報発信の現場ではかなり実践的に使えます。 撮る・並べる・字幕をつける・音を整える・AIで足りないカットを補う。ここまでを1つのブラウザタブで完結できるのが、Canva動画編集の強みです。
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