Canvaはどこまで商用OK?ライセンス・著作権・注意点をまとめて解説【2025年版】

「Canvaで作った画像をブログやYouTubeで使っていいの?」「テンプレートをアレンジして販売しても大丈夫?」 Canvaはとても便利ですが、ライセンスや著作権のルールを知らないまま使うと、後からトラブルになる可能性があります。

この記事では、

  • 無料素材と有料素材の違い
  • 商用利用の「OK」と「NG」の境界線
  • AI画像・音楽・教育プラン・コラボ素材の注意点

を、できるだけやさしい言葉で整理します。

前提として、規約は更新されることがあるため、最終的には[Canva公式の利用規約・コンテンツライセンス]を確認することが必須ですが、ここを読めば「何を気にしておくべきか」という全体像がつかめるはずです。


目次

Canvaのライセンスをやさしく解説|無料素材と有料素材の違い

まずは、Canvaの中にある素材がざっくりどういうグループに分かれているのかを整理します。

「Freeコンテンツ」「Proコンテンツ」「AI生成コンテンツ」の基本ルール

Canvaの素材は、だいたい次の3種類として考えると分かりやすくなります。

  1. Freeコンテンツ 無料プランでも使える写真・イラスト・アイコンなど。個人利用だけでなく、条件を守れば商用利用も可能です。
  2. Proコンテンツ(王冠マーク👑) Canva Proなどの有料プランで使える高品質な素材。こちらもデザインの一部として使うぶんには商用利用が認められていますが、素材単体の配布は禁止です。
  3. AI生成コンテンツ(Magic Mediaなど) AIで作った画像や文章。CanvaのAIポリシーに従う前提で、基本的には他の素材と同様に商用利用が想定されています。

大事なのは、「Canvaの中で作ったものなら全部自由にしていい」という発想ではなく、あくまで「Canvaから借りている素材を使って、新しいデザインを作っている」という意識を持つことです。

素材そのものを再配布してはいけない理由(Redistribution禁止)

Canvaのライセンスで一番重要なルールが、「素材そのものの再配布・販売はNG」という点です。

なぜかというと、Canva上の写真は、世界中の写真家やクリエイターが著作権を持っています。Canvaは「会員ならデザインに使っていいですよ」という契約をしているだけです。 もしユーザーが、その写真をそのままダウンロードして「私の素材です」として販売したら、元の写真家の権利を侵害してしまいます。

【OKとNGのイメージ】

  • OK: 写真に文字や装飾を加え、ブログのアイキャッチやポスターとして使う(デザインの一部にする)。
  • NG: 写真をそのままダウンロードし、壁紙サイトや素材集として配布・販売する。

Canvaを商用利用するときに知っておきたいポイント

ここからは、「お金がからむ利用」をする場合に、どこに気をつけるべきかを具体的に見ていきます。

ブログ・YouTube・SNSでの利用はどこまでOKなのか

「自分のブログ」「自分のYouTubeチャンネル」「自分のSNSアカウント」で、Canvaで作った画像や動画を使うこと自体は、基本的に許可されています。 広告が付いていても、アフィリエイト記事であっても、「自分のコンテンツの一部(アイキャッチや挿入図)」として使う形なら、通常の商用利用として問題ない範囲です。

ただし、注意が必要なのは次のようなケースです。

  • 「自作発言」: Canvaのテンプレートをほとんどいじらずに「私がゼロから描きました」と主張する。
  • 「素材のバラ売り」: 素材をただ並べただけのものを「画像集」として販売する。

ブログや動画の「中身を分かりやすくするための部品」として使う分には問題になりにくいですが、「素材そのものを商品として扱い始める」とNGに近づいていく、と考えておくと安全です。

グッズ販売・印刷物・テンプレ販売で注意したいこと

Canvaで作ったデザインを、Tシャツやステッカー、ポスターなどのグッズにして販売することは、一定の条件のもとで認められています。

しかし、「Canva素材の占める割合がほぼ100%」で、自分の創作部分(構成やテキストの工夫)がほとんどない状態だと、「Canvaの素材をそのまま売っている」と見なされるおそれがあります。

テンプレート販売についても同様です。 Canvaの素材を並べ替えただけのものを「有料テンプレート」として販売するのは、ライセンス違反になり得ます。 逆に、「自分で描いたイラスト」を中心に構成し、Canvaの機能はあくまで編集ツールとして使っている場合は、販売できる余地があります。かなりグレーゾーンが多い領域なので、「Canva素材に依存したビジネス」は避けるのが無難です。

ロゴやブランドマークにCanva素材を使うときのNGとOKのライン

ロゴやブランドマークは、商標登録の対象になり得る重要なものです。

原則として、Canvaライブラリの写真・イラスト・アイコンなどを、そのままロゴのメイン要素として使い、商標登録することはできません。 理由は簡単で、同じ素材を世界中の誰でも使えてしまうからです。「あなただけのロゴ」として権利を主張できません。

  • ⭕ OKな使い方: 文字組みや形の調整に使い、商標登録しない「仮のロゴ」や「Webサイトのタイトルロゴ」として使う。
  • ❌ NGな使い方: テンプレートのロゴを少し色替えしただけのものを、商標登録して独占しようとする。

本気のロゴを作るなら、「Canvaはラフ案を考える場所」と割り切り、最終形はデザイナーへの依頼や、完全オリジナルの図形での作成に切り替えるのが現実的です。


AI画像・AI動画をビジネスで使うときの注意点

Magic Mediaなどで作ったAI画像・AI動画をビジネスで使う場合のポイントです。 (AI機能の詳しい使い方は[記事2]をご覧ください)

AI生成コンテンツの扱いと利用規約の押さえておきたい部分

CanvaのAIで生成した画像や動画は、基本的には他のCanva素材と同じように商用利用も想定されています。 しかし、ここで気をつけたいのは以下の点です。

  1. 「AIが作ったから著作権フリーで完全に自由」というわけではない
  2. 利用規約の変更が起こり得るため、定期的に公式情報を確認する必要がある。
  3. 禁止用途(暴力・ヘイト・違法行為など)に触れないようにする。

特に、広告クリエイティブとして大量に配信する場合などは、事前に規約を読み込んでおくべきです。

肖像権・商標権など「他人の権利」とぶつかりやすいケース

AI画像であっても、肖像権や商標権の問題から完全に自由だとは言えません。

  • 有名人そっくりの人物を生成し、本人の推奨であるかのように広告に使う。
  • 有名ブランドのロゴやキャラを連想させる画像を生成し、商売に使う。

これらは、作ったのがAIであっても、使った人の責任として権利侵害になる可能性があります。 また、自分以外の人が写っている写真をアップロードしてAI加工する場合も、「その人の許可があるか?」という観点を忘れないようにしましょう。


教育用プランや特別コラボ素材の制限について

すべてのCanva機能・素材が、同じルールで商用利用OKというわけではありません。

Canva for Educationを商用利用してはいけない理由

Canva for Education(教育用プラン)は、学校や教育機関向けに提供されている特別プランです。 利用目的が「教育・学習」であることが前提になっているため、このアカウントで作った素材をそのまま商用ビジネスに転用するのは、利用条件に反する可能性が高いです。 ビジネスで使うなら、別途個人用(Free/Pro)やチーム用のアカウントを取得しましょう。

Disneyなどコラボ素材が「個人利用のみ」になる場合の読み方

Canvaには、たまに有名ブランドやキャラクターとのコラボ素材が登場します(例:Disneyコラボなど)。 こうした素材は「個人的・非商用利用のみ」と明記されていることが多いです。

  • 通常の素材とは別扱いになっている
  • 素材の説明欄に利用範囲が書かれている

「かわいいから使おう」とノリだけで商品に使ってしまうと、商用NGでトラブルになりかねません。必ず詳細説明を読んでおきましょう。


Canvaの音楽・BGM・効果音を使うときの注意点

画像や動画だけでなく、Canva内の音楽・効果音にもライセンスの考え方があります。

YouTubeのContent IDとぶつかりやすいケース

CanvaのBGMは、動画に組み込んで使うことを想定してライセンスされています。しかし、YouTubeには「Content ID」という著作権管理システムがあり、同じ楽曲を多くの人が使うことで、自動的に「著作権の申し立て」通知が来ることがあります。

これは必ずしも違反ではありませんが、

  • 動画の収益化が制限される
  • 広告収益が権利者側に流れる

といった影響が出る可能性があります。 YouTubeで収益化を狙う場合、Canva内の「Audio」のライセンス説明を確認するか、もし権利主張が来た場合の「異議申し立て」の手順(Canva公式ヘルプに記載があります)を知っておくと安心です。


トラブルを防ぐための「Canva安全チェックリスト」

最後に、Canvaを使って作ったものを公開・販売するときに、最低限確認しておきたいポイントをまとめます。

公開前に確認したい5つのポイント

デザインを世に出す前に、この5点を自問自答しておくと、不要なトラブルをかなり減らせます。

  1. 素材そのものを売っていないか (写真やイラストを、ほぼそのまま「素材」として配布・販売していないか)
  2. AI画像の用途はクリーンか (他人の権利侵害や、禁止されている用途になっていないか)
  3. ロゴにテンプレートを使いすぎていないか (商標登録する予定なのに、誰でも使える素材で構成していないか)
  4. 教育プランやコラボ素材ではないか (商用NGの素材やアカウントを使っていないか)
  5. 音楽のライセンス確認はできているか (YouTubeなどで使う場合、権利通知が来る可能性を理解しているか)

不安なときは、「分からないから、まあいいか」で進めず、Canva公式の「コンテンツライセンス」「利用規約」を確認したり、サポートに問い合わせたりしましょう。 一度しっかり整理しておけば、その後の制作や発信はかなり気持ちよく進められます。

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