AI(人工知能)は、画像や音楽、文章など様々なコンテンツを生成することができるようになりました。
しかし、AIが生成したコンテンツには、誰が著作権を持つのでしょうか?
また、AIの開発や運用に関わる要素に対する法的保護はどうなっているのでしょうか?
この記事では、AIの著作権問題について、現状の法律や見解を紹介します。
AIが生成したコンテンツに著作権は発生するのか?
AIが生成したコンテンツに著作権が発生するかどうかは、AIの創作に人間の関与があるかどうかによって異なります。
一般的には、以下の3つのパターンが考えられます。
人による創作
人間がAIを使わずにコンテンツを創作した場合、そのコンテンツは著作物となり、著作者に著作権が発生します。
AIを道具として利用した創作
人間がAIに具体的な指示やデータを与えてコンテンツを創作した場合、そのコンテンツは人間の創作的表現とみなされ、著作者に著作権が発生します。
ただし、AIの学習に用いた著作物は、その利用が著作権法で認められているかどうか注意が必要です。
AIによる創作
人間の関与なしにAIが自律的にコンテンツを生成した場合、そのコンテンツは著作物とみなされず、著作権も発生しません。
これは、日本の著作権法では、思想や感情を創作的に表現したものであって、文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するものだけが著作物と定義されており、AIは思想や感情を持たないと考えられるからです。
AI自体やAIの開発・運用に関わる要素に対する法的保護はどうなっているか?
AI自体やAIの開発・運用に関わる要素(学習用データ・学習用プログラム・学習済みモデル)に対する法的保護は、著作権法だけでなく、特許法や不正競争防止法など他の法律でも保護される可能性があります。
学習用データ
AIの学習に用いるデータは、そのデータ自体が著作物であれば著作権で保護されます。
しかし、単なる事実や数字などは著作物とみなされません。
また、学習用データを収集する際や利用する際には、個人情報保護法やプライバシー権なども考慮しなければなりません。
学習用プログラム
AIの学習を行うためのプログラムは、そのプログラム自体が著作物であれば著作権で保護されます。
また、そのプログラムが特許要件(新規性・進歩性・産業上利用可能性)を満たす発明であれば特許権で保護されます。
学習済みモデル
AIが学習した結果として得られるモデルは、そのモデル自体が著作物であれば著作権で保護されます。
また、そのモデルを用いた製品やサービスが特許要件を満たす発明であれば特許権で保護されます。
さらに、そのモデルが秘密であり、経済的価値を有するものであれば不正競争防止法で保護されます。
まとめ
AIの著作権問題は、AIの技術や社会の変化に応じて進化していくものです。
現在の法律ではカバーしきれないケースも多くあります。
AIや機械学習を活用した事業を行う際には、IT分野に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
参考元:
ChatGPTの使い方入門!人工知能と対話してみよう
AI開発で知的財産権はどう守られる?著作権、特許権の論点を解説
Sun – Wikipedia
AIによる生成物は「著作物」にあたるか? 文化庁が「AIと著作権」セミナー映像と資料を公開 – INTERNET Watch
AIソフトウェアと著作権法の関係について、弁護士が解説
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